ブログなどで文章を書き始めたけれども、文章を書くのは難しいな、、と感じている方へ。
自分が戦略コンサルで働いていた際に学んだ論理的な思考や構造化、言語化のスキルについてまとめたので、文章を書く力を高めたいという人、ぜひ読んでみてください。
文章を書く力は、構造化力×言語化力×文章のお作法の理解で鍛えられます!
※この記事の内容は下記の構造になっています。
「文章を書く力がある」ってなんだろう?
- なかなかいい文章が書けない…
- わかりやすい文章が書けているか不安…
こういった悩みは誰しもが持っていると思います(自分もそうです)。
インターネット上では、文章を書く力をつけるには、インプットを増やせ、読書をしろ、といったような言説を目にすることもあるが、本当にそれで力がつくのでしょうか?
「文章を書く力がある」の状態定義
まず、「文章を書く力がある」とは、いったいどのような状態なのかを整理してみます。
文章を書く目的は、相手になにかを伝えることなので、文章を書く力がある=相手にわかりやすく伝える文章が書けることと定義しても問題ないでしょう。
また、わかりやすく伝えるために重要なのは、文章が論理的であることが必要と考えています。
論理的な文章を書く力の要素分解
論理的な文章を書く力について考えると、以下の要素に分解されると考えました。
以下で順に説明をしていきます。
構造化力
論理的に考え、論理的に伝えるために、いわゆる「ピラミッド構造」で整理することが助けとなります(冒頭のピラミッド構造での整理の図を見ていただくとイメージがわきやすいと思います)。
ピラミッド構造で、構成要素間の関係を整理しつつ、幅広く構成要素を洗い出すことが構造化という作業になります。
なお、他者に伝えるときには、上位概念や全体を要約する考えを述べてから、その後に個々の考えを一つひとつ説明していくことで、相手に理解しやすく伝えることが可能になります。
「縦の論理」:主張と根拠を整理する力
ピラミッド構造の縦方向のつながりは、いわゆる「So what?」「Why so?」つまり、結論と根拠(方法)の関係性を持ちます。
ピラミッドの上位階層に、Why so?=なぜそう言えるのか?と問いかけた時に、その下位階層の項目がその答えになっています。
逆もしかりで、ピラミッドの下位階層の項目に、So what?=だから何が言えるのか?と問いかけるとそれらから導かれる結論がピラミッドの上位階層にきます。
どのような階層であれ、上位の主張や概念はその下位の概念や項目を要約するものであり、Q&Aのような対話形式で答えの理由付けを行っていくことになり、読み手に生じた疑問を一つ下の階層で答えていくことになります。
「横の論理」:構成要素を整理する力
ピラミッド構造の横方向のつながりでは、同一階層にある複数の要素がMECEな関係であり、上位階層の根拠や方法が並列に構成されます。
各階層の項目は常に同じ粒度の概念であることが求められ、また、項目の記載については、常に論理的に順序付けられていることが重要です。
例えば、時系列の順(過去→現在→未来)、構造の順(東→西)、比較の順(大→中→小)など。
横の理論の整理の際は、MECEを意識することが重要です。
→参考・MECEに考える、ってどいういうこと?(執筆中)
ピラミッド構造での整理の具体例
例として、自社の業績が好調で従業員が増えたことにより、オフィスが手狭になってきた会社の課題を想定してみます。
主張は、ある物件を見つけた際に、そのオフィスを借りるべきだ、ということ。そして、その根拠を、物件の広さ、立地、価格の観点の観点から示しています。
ところで、この下位下層の項目の「広さ」、「立地」、「価格」は、これでMECEと言えるのでしょうか?
答えはNoです。
明らかにダブりはないですが、物件を検討する際に、他にも検討する項目はあるでしょう。
例えば、物件の設備という観点があるかもしれません。具体的には、物件に、更衣室がある、会議室が3部屋以上ある、エレベーターがある、などです。
また、視点を変えると、「広さ」、「立地」、「価格」は、すべてが物件そのものに関する項目ですが、物件以外の観点で、ピラミッド構造を追加することもできるかもしれません。
例えば、貸オフィスの市場動向(供給量や価格帯など)や自社の観点などがあるかもしれません。
ここで伝えたい大事なことは、MECEにこだわりすぎてもいけないということです。
MECEにすべての検討視点を洗い出し、検討することができれば最高ですが、それは非常に時間や労力が必要なものです。通常は一定の人的リソースで限られた時間の中で調査や意思決定をしなければならないので、全体の中で占める重要な項目や、自分たちが優先すべき項目を提示し、検討していくことが大事になります。
今回の例では、その重要な項目が、全従業員が入れる広さであること、移転を嫌う従業員を納得させるための駅からの立地、そして、物件を借りる際にかかる費用という観点になるでしょう。
もし、MECEを大事にしたいということであれば、MECEな全体フレームを提示し、その中で、この3点を重視するという説明すると、聞き手は安心・納得してくれると思います。
上記では、当該物件の要素に「設備」という観点を追加しましたが、まだ検討項目はあると思います。
項目を洗い出す作業は、一人の頭で考えていても限界があるので、いろいろな人と議論をしながらブラッシュアップしていくのがよいと思います。
言語化力
論理的に考えた内容を相手に伝えるためには言語化が必要です。
上司から「しっかり言語化して欲しい」などと言われた場合は、抽象的なメッセージを避け、文章の解像度をあげろ、ということでしょう。
例えば、営業成績の上がらない新人が「来月は頑張ります」と言っていた場合、なにを、どのように頑張るのか、解像度を上げることに寄与するのも言語化でしょう。
具体的な課題の特定やアクションの検討はピラミッド構造で整理するとしても、新規の顧客を獲得するために何かしらのアクションをとる、既存顧客の売上アップのために何かしらのアクションを起こす、というように具体度合いを上げて記述することが大事です。
言語化が苦手という人もいるでしょうが、言語化する力はトレーニングすることで鍛えることができます。
言語化力の構成要素を以下のように整理しました。
語彙力
いかに単語を多く知っているか、ということです。
あまり単語を知らないという方は、ぜひ類義語辞典で調べるということをしてみるとよいでしょう。
例えば、「思考する」という言葉の類義語を引いてみると、以下のように多数の言葉が見つかります。
思案する、思惟する、哲学する、熟慮する、熟考する、長考する、黙考する、思索する、熟思する…
表現を選択する習慣
頭にある複数の類義語の中から、どの言葉を利用することが、最も文脈にふさわしいのかを選択することです。
上記の「思考する」を例に考えてみると、言葉の意味は当然「考える」ですが、言葉によって考える様子や、時間感などのイメージが異なるでしょう。
例えば、
ブログの文章を思案する
→「思案に暮れる」と使われるように、考えあぐむ、迷って考えがまとまらない様子が想起されます。
ブログの文章を熟考する
→十分に考えることであるが、思考するよりも深く考えている様子が想起されます。
上記は一例に過ぎませんが、わかりやすく伝えるために言語化力を鍛えるには、語彙力を増やし、複数の表現を思い浮かべ、どちらがより相手に伝わるかを考えて、選択することが重要だと思います。
文章のお作法の理解
最後の要素は、文章を書く際のマナーともいうべきお作法を守るということです。
文章のお作法の構成要素を以下のように整理しました。
文法的なお作法
文法的なお作法は、文法的に間違っていないことや、わかりやすい文法で書くことに焦点を当てています。
例えば、一つの文章を書く際に気を付けることは以下のようにあるでしょう。
- 主語を省略せずに記載する
- 主語と述語を一致させる
- 目的語も省略せずに記載する
- 主語を必要以上に長くしない
- 主語と述語を離さない
- 修飾関係を明確にする
慣習的なお作法
文法以外に気をつけることで、文章がわかりやすくなる慣習的なお作法もあります。
例えば、以下があげられるでしょう。
- 1つの文章を長くしすぎない
- 1つの文章には、1つのことだけを書く
- 指示語はなるべく使わない
- 比喩表現はなるべく避ける
- あいまいな表現を使わない
- 専門用語には説明を加える
- 社内用語などを正確に使う
こういった項目は一般的な文章の書き方の本にも記載がされていると思うので気になる方はチェックしてみてください。
簡単な本を一冊読めば十分だと思います。
まとめ・ピラミッド構造での振り返り
文章を書く力について、論理的な文章を書く力と定義し、その構成要素を構造化力×言語化力×文章のお作法の理解と分解をして説明をしてきました。
冒頭のピラミッド構造を再掲しますが、いかがでしたでしょうか。
主張に対して、構造化力、言語化力、文章のお作法の理解が根拠の項目として並列の関係であり、それぞれの項目に対して、構成要素をMECE的に整理をしています。
それを順番に説明してきたのが、本記事でした。
ぜひ皆様も文章を書く際に頭の片隅に置いておいてもらえればと思います。
社会人の勉強に関する記事は以下もご参照ください。
今回は、ここまで~。最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。
コメント