文書作成時のツールの使い分けについて Word・Excel・PowerPoint

ビジネス基礎

文書を作成する際に、WordやExcel、PowerPointの、どのツールを使うのがよいか、悩んだことはありませんか?

本記事では、各ツールの得意な機能を整理した上で、実際にどのような作業の際にどのツールを使うのが望ましいかについてもまとめました。

他者に考えを伝えるには?

コミュニケーションや議論の一環として、自分の考えを他者に伝える方法は大きく以下の2つがあります。

  • 口頭で伝える
  • 文書/ドキュメントで伝える

あまり違和感はないと思いますが、以下で簡単に整理をしておきます。

なお、これ以外にも、非言語的なボディランゲージや阿吽の呼吸のようなコミュニケーション手法もあるかもしれませんが、ビジネス上は実用性が低いため今回は対象外としています。

また、以下では「文書」と「ドキュメント」を同じ意味で記載をしていますが、文書/ドキュメントの中には、文字で記録された文章、表や図形、計算表など、文字以外の表現形式も含んでいます。

口頭で伝える メリットと注意点

そのままの意味ですが、Face to Faceやインターネット上のビデオ通話などで、言葉を介したコミュニケーションになります。

メリット
口頭で伝えることの良い点は、簡易で、即時的・双方向的であり、相手の反応を確認しながら、その場で多くの情報を共有することができます。

また、文書化しづらい微妙なニュアンス、内容なども伝えることができるでしょう。

注意点
一方で、口頭で伝える際には、話し手と聞き手の間に、理解のあいまいさや誤解が生じやすいことに注意が必要です。

例えば、使う言葉の意味やニュアンスの受け取り方が人によって異なることもあるでしょうし、あいまいな返事による認知のギャップも生じうるでしょう。

議事録を作成していると、口頭での会話ではなんとなく意味が通じているけれども、実は何を言っているのかよくわからない、といったこともよくあります。

文書で伝える メリットと注意点

文章や図表、グラフなどのなにかしらの文書を活用して伝えることです。文書は、口頭コミュニケーションの補完的な役割を果たすことも多いでしょう。

メリット
文書で伝えることの良い点は、作成時に論理的・構造的にまとめているため内容の誤解が少なく正確に伝えることができます。

また、文書を渡せば相手は時間的な制約を受けずにいつでも何度でも確認できます。

注意点
一方で、言語化や構造化が求められているため作成には相応の時間が必要となるでしょう。

例えば、チャットなどで急いでメッセージを送ると、伝えるべき順番としてよりよい順番があったなと感じたり、内容の不足があり追加でメッセージを送るといったことを経験されている人も多いと思います。

また、手渡された文書に対する疑問点はその場では確認することができず、別途質問などをしなければならないこともあるでしょう。

なお、文章の書き方については、別の記事でまとめていますので、そちらもご覧ください。

文書作成ツールのまとめ

主要な文書作成ツールは、大きく分けて「文書作成」、「表計算」、「プレゼンテーション」の3つがあります。

提供サービサーとしては、Microsoft、Google、Appleなどがあり、各機能と各サービスを整理すると以下のようになります。

MicrosoftGoogleApple
文書作成WordGoogleドキュメントPages
表計算ExcelGoogleスプレッドシートNumbers
プレゼンテーションPowerPointGoogleプレゼンテーションKeynote
ドキュメント作成ツールのまとめ

基本的な機能としては、大きくは違わないでしょうが、今回は多くの日本企業や学校などで活用されているMicrosoftのWord、Excel、PowerPointについて、簡単に整理していきます。

なお、GoogleやAppleのサービスを利用している人は、WordをGoogleドキュメント、Pagesなどと読み替えてください。

文書作成ツールの特徴

まずは、Word、Excel、PowerPointの得意・不得意なことを、文書作成、表計算、プレゼンテーションの主要機能から整理をしてみます。

文書作成では、「文章を書く」、「数値を入力する」、表計算では、「計算をする」、「データ分析・統計解析をする」、「グラフを描く」、プレゼンテーションでは、「表を作る」、「図形を描く」、「動かす」、といった重要と考えられる機能を項目としました。

それらの機能に対して、適している、可能、難しい、の三段階で評価をしました。

なお、評価については、明確なクライテリアを設定しているわけではなく、これまで筆者が利用してきた中で感じた操作性などから概念的につけているものになりますのでご了承ください。

Wordの得意なこと・注意点

Wordは、とにもかくにも文章を作成するのに適しています。

Wordの得意なこと
段落やインデント、レイアウトや書式を設定して文書を作成したり、目次や参考文献などを挿入したり、変更履歴を残して文書を修正したりすることができるなど、文章作成に必要な機能が備わっています。

Wordの注意点
Wordでも、グラフの挿入、表を作成、図形を描いたりすることもできますが、これらはExcelやPowerPointで作成をするほうが適していると考えられます。

また、計算やデータ分析などは難しいでしょう。

Excelの得意なこと・注意点

Excelは、数値を扱い、計算して、グラフを作成するのに適しています。

Excelの得意なこと
数値の集計や計算では、様々な関数を用いることで、非常に自由度の高い作業が可能であり、算出した数値などを参照してすぐにグラフを作成することもできます。

また、シートには一つひとつのセルに分けられているため、表を作成するのも容易でしょう。

Excelの注意点
基本的にできない作業は少ないですが、一つのセルに入力できる文字数の上限(合計文字数は32,767 文字)などがあるので、一つのセルで長文を書いたりすることができない場合もあります。長文を書く場合はWordの方がよいでしょう。

また、セルを細かく配置して方眼紙のようにしたり、セル結合を駆使したお役所の文書のフォーマットなどはExcelで作成するのには違和感があります。

PowerPointの得意なこと・注意点

PowerPointは、図表などを用いたプレゼンテーションに適しています。

PowerPointの得意なこと
PowerPointはオブジェクトの配置が任意にできるなど表現の自由度が高いことから、図形作成が得意であり、概念図や関係性を示すポンチ絵などとして図示するのは有効でしょう。

PowerPointの注意点
文書作成などもある程度できますが、自由度が高い反面、レイアウトなどの調整が細かに必要となり、本質的ではない作業にも時間がかかってしまうことが多く、利用時には注意が必要です。

文書作成時にどのツールを使うべきか?

それでは、それぞれの文書作成ツールの特徴が把握できたところで、文書作成時の、どのような時に、どのツールを利用すればよいのかを考えていきたいと思います。

筆者が戦略コンサルで仕事をしていた時、実際にどのような形でツールを使い分けていたかを、振り返りつつまとめました。

極論を言えば、使い手が使いやすいように、が一番ですが、参考になる部分もあるかと思います。

まず、今回の文書作成プロセスは以下とします。

  • インプット
  • プロセス
  • アウトプット

「インプット」時に利用したツール

知識や情報をインプットする情報収集・リサーチの段階です。

Wordの利用
特定の領域の知識を一括して読み込む時は、関連文献や書籍、インターネット検索などをして、内容をWordに簡易にメモしていました。

メモ帳のような使い方といってもいいでしょう。

Excelの利用
ある仮説に基づいて調査をする際は、調査の軸・項目を設定しているため、縦軸と横軸などの比較ができるようにメモをするのがよいのでExcelを利用することが多かったです。

例えば、ミネラルウォーターの違いを調べる際に、縦軸に商品、横軸に調査項目を並べます。一つひとつのセルに調査結果を記載をしていくと、比較表ができるでしょう。

Excelでの情報収集のイメージ

上記では、横軸はマーケティングの4Pを記載してみましたが、特に横並びで比較したい項目、ミネラルウォーターでいえば製品の重要な情報と考えられる「水の高度」を特筆することもよいと思います。

注意すべき点としては、横軸の項目をあまりに細分化しすぎると、同じような情報が見つからないといったこともあり得ますので、情報収集をしながら項目を分けていくといったこともあるでしょう。

また、リサーチ自体は縦横の項目を定めてから開始することをおすすめします。

機会があれば、リサーチの仕方について、まとめたいと思います。

PowerPointの利用
インプット段階での利用には向いていません。

「プロセス」時に利用したツール

収集した情報を活用するために、整理・加工等をする段階です。

Wordの利用
ストーリーラインを考えたり、構造化して整理するなどの思考的な整理はWordを利用していました。

本記事の執筆でのストーリーラインおよび文書を作成した際のWordのメモは以下のようになっています。

Wordを利用したストーリーライン・文章の作成

機会があれば、Wordを利用しながら構造化して文章を書いていくことについてもまとめたいと思います。

Excelの利用
データの分析や数値の集計などはExcelが最も有効性を発揮する瞬間のひとつでしょう。

PowerPointの利用
プロセス段階での利用にはあまり向いていないと思います。

「アウトプット」時に利用したツール

成果物として、他者に見せるものを作成する段階です。

社内向け/外部向け、急ぎの内容確認/しっかりとした成果物、など様々な要因により成果物の形は異なります。

Wordの利用
最終成果物をWord形式で提出することはほとんどありませんでしたが、プロジェクトによっては、Word形式での成果物提出もありました。

社内向けの内容の確認であれば、プロセスで作成したWordの文章、ストーリーラインを基に確認することも多いでしょう。

Excelの利用
Excelは、数値算出のバックデータなどを提示するのに利用することもありますが、基本的にはグラフなどをPowerPointに張り付けることが多かったです。

売上予測などのモデル作成であればExcel自体を成果物として納品することもありました。

PowerPointの利用
最終成果物は、基本的にPowerPointを利用していました。

まとめ

文書作成時には、表現したい内容に応じて適したツールを使うことが重要です。

基本的には、Word、Excelと思いますが、外部向けなどのプレゼンテーションではPowerPointなども必要になります。

本サイトでは、ExcelとPowerPointの基礎的な操作について解説していますので、興味があればそちらもご覧ください。

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今回は、ここまで~。最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。

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