MBAのマーケティングの授業でよく参考書として取り上げられている『ゼミナールマーケティング入門 第2版』の演習問題を考えてみたいと思います。
今回は、第2章 演習問題③を取り上げています。
第2章 価値形成のマネジメント 演習問題③
製品・サービスの開発担当者が、製品・サービスを、アソートメントとして見ることの利点を整理しなさい。
出所:『ゼミナール マーケティング入門 第2版』
解答例
アソートメントとは、製品・サービスのラインナップの組み立てであり、ライン(カテゴリー)の数(=ラインの広がり)と各ライン内のアイテム数(=ラインの奥行き)によってとらえることができる。
アソートメントの優位性は、例えば、ラインの広がりがあることで製品買い替え時にアップセルを促すことができる、ラインの奥行きがあることで、規模の経済により流通業者との取引を有利にする、店頭での自社製品の販売スペースを広く設けることができる、などがある。
製品・サービスの開発時に考慮すべき点は、①新製品・サービスが自社のアソートメントの中でどのような位置づけか、②新製品・サービスを単一で導入するかそれとも複数アイテムからなるラインで市場導入するかである。
具体例を見てみると、グリコのチョコレートカテゴリーでは、ポッキーやカプリコ、神戸ショコラなど多くの種類があり、多様な製品を提供することで顧客への価値を提供している。既存の製品アソートメントを整理することで、製品の特徴や提供している価値などを理解し、新製品がどのような顧客ニーズを満たす製品であるべきかを検討できるとともに、自社製品との重複などを回避することもできると考えられる。
グリコチョコレート製品のアソートメント
思考の軌跡
アソートメントという言葉自体なじみがあまりないものであるため(少なくとも筆者には)、まずはアソートメントの正確な理解が必要であり、情報を整理した。
今回は、グリコの製品をカテゴリー×ラインで縦横のマトリックスに整理してみたが、あまり良いまとめ方ではなかったかもしれない。整理の際の並び順を機能別や価格別の順でソートをすることで、より自社製品がリーチできていない顧客セグメントを洗い出すことができると思う(グリコ製品のリサーチは提供価値や価格帯などの調査まで踏み込めていないため)。
テキストの記載のライオンの例でいうならば、ラインの広がりは機能別(歯槽膿漏予防、歯周病予防、虫歯予防…)と記載のある通りだが、ラインの奥行きは、価格帯別(高い順)などで整理をすることで、アソートメントの整理がより効果的と感じた。
他の問題は以下からご覧ください。
今回は、ここまで~。最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。
参考文献
グリコホームページ
https://www.glico.com/jp/product/chocolate/
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