本記事は、自分が経営大学院に在籍した際に、他の大学院と交流した経験などから、いくつかの大学院の特色みたいなものを簡易にまとめていきます。
あくまで個人的な感想なので、その点ご理解ください。
お急ぎの人は、各大学院の「個人的な所感など」のパートを読んでいただけると!それだけだと内容スカスカなので、各大学院の概要なども追加でまとめました。
東京大学
まずは、とりあえず、東京大学。
対象の研究科
大学院の経済学研究科の中に、経済専攻とマネジメント専攻に2種類に分かれており、マネジメント専攻が経営学を対象にしています。
経営学が、経済学研究科の中のひとつの学部として存在していることもあり、経営学の位置づけが独立して、大きなものではない、という印象がありますね。
マネジメント専攻は、経営学コースと数量ファイナンスコースの2つで、社会人選抜があるのは数量ファイナンスコースのみとなっています。
概要
開講時間 | フルタイム |
コース | ・経営学コース ・数量ファイナンスコース |
募集学生数 | マネジメント専攻(2つのコース)で50名 (社会人選抜の数量ファイナンスは若干名) |
教員数 | 17名(経済学研究科71名) |
海外との提携 | ・ストックホルム王立工科大学(スウェーデン) ・国立台湾大学(台湾) ・イエール大学(アメリカ) ・アッシュ・ウ・セ経営大学院(フランス) ・ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンス(イギリス) |
マネジメント専攻の修士課程は、1学年35名~40名といった感じで、少人数で研究に取り組む環境といえるでしょう。
単純に2学年で80名程度と考えても、教員数は17名なので、研究室がバラければ、一人当たりの教員が指導する人数は4~5人ですしね。
試験・倍率
主な提出書類
- 入学願書
- 研究計画書
- 英語はTOEIC、TOEFLなどのスコア など
試験内容
- 筆記試験
筆記試験の過去問は文学部の複写センターで購入可能のようです。 - 口述試験
倍率
大学院全体の数値ですが、令和4年度は、募集定員110名に対して、481名の応募があり、倍率は約4.7倍です。
ただし、経済学の方がメジャーということもあり、マネジメント専攻の倍率はもう少し低いと想定されます。
個人的な所感など
東大は、学業と仕事との両立というよりかは、学業に専念しなさいという印象です。
また、実践というよりかは、しっかりと研究をすることが重要、という印象です。
MBAの中では、かなりアカデミックよりと感じています。
海外大学院との提携校も少ないので、国内でアカデミックなMBAを志向している人に合っていると思います。
京都大学
次に、西の雄、京都大学です。
対象の研究科
大学院の経営管理研究部/経営管理教育部(経営管理大学院)が経営学を対象にしています。
経営管理教育部の中には、ビジネス・リーダーシッププログラム、サービス&ホスピタリティプログラム、プロジェクト・オペレーションズマネジメントプログラム、ファイナンス・会計プログラムの4つの基幹コースがあります。
概要
2006年に設立された大学院であり、比較的新しいようです。
開講時間 | フルタイム |
プログラム | ・ビジネス・リーダーシッププログラム ・サービス&ホスピタリティプログラム ・プロジェクト・オペレーションズマネジメントプログラム ・ファイナンス・会計プログラム |
募集学生数 | 全選抜方式合計で100名 |
教員数 | 33名(非常勤含め136名) |
海外との提携 | 世界20カ国38校 |
1学年100人程度とそこそこの人数がおり、留学生が34%と在籍している生徒の多様性があるようです。
教員も多いことや、企業が行っている外部の講座や研究会などのイベントも豊富なようです。
試験・倍率
応募する選抜方式により異なるようですので、ご注意ください。特別選抜が社会人としての職務経験を重視する選抜方式のようなので、以下ではそちらを中心に書いていきます。
主な提出書類
- 志願書
- 英語力検定試験スコア(TOEIC、TOEFLなど)
- 学習計画書
- 職務経歴書 など
試験内容
- 面接
学習計画書や職務経歴書、英語検定試験スコアと面接の成績から合否を判定するようです。
倍率
選抜方式ごとの倍率が公開されております。
倍率は、一般選抜が約7.5倍、特別選抜が約2.7倍、観光経営科学コース特別選抜が3.5倍、国際プログラム群が約3.1倍といずれも高い倍率になっています。
個人的な所感など
学風からも連想されるように「自由」の印象が強いです。
学生の多様性もさることながら、自由な校風からか、学生が在学中に起業したりする、あるいは起業のために休学するといったことも多いようです。
また、京都という土地柄もあるのか、「観光経営」に力を入れており、ホテル経営学に関して全米でトップのコーネル大学とも提携しているので、観光に興味がある人に向いているといえるかもしれません。
神戸大学
経営学について、歴史と伝統のある神戸大学です。
対象の研究科
大学院の経営学研究科が経営学を対象にしています。
概要
開講時間 | フルタイム |
プログラム | (プロジェクト方式を採用し、1.5年で修了) |
募集学生数 | 69名 |
教員数 | 56名 |
海外との提携 | 18校 |
働きながら学ぶをテーマにしており、土曜集中型の受講(金曜日の夜にも一部授業あり)となっており、また独自のプロジェクト方式が導入されております。
プロジェクト方式は、以下のように定義されています。
「プロジェクト方式」とは、産業界からの要望の高い問題に含まれる解決すべき複数の課題について、それぞれ5~6名の社会人学生からなるプロジェクトチームを編成し、学生相互間および教授陣・学生間でお互いに知恵を出し合いながら、共同研究により解決策を探る教育システムです。
出所:神戸大MBAより引用
試験・倍率
主な提出書類
- 入学願書・履歴書
- 経歴詳細説明書
- 研究計画書
- 英語力検定試験スコア(TOEIC、TOEFLなど) など
試験内容
- 筆記試験
英語と小論文 - 口述支援
一次試験で筆記を行い、2次試験として口述試験があるようです。
倍率
倍率は、一次選抜(筆記試験)が約1.6倍、二次試験(口述)が約1.5倍となっております。
全体では、約2.5倍の倍率です。
口述試験でも、40名近くが落ちていることから、面接の対策も必要でしょう。
個人的な所感など
一言で表すと、よいマネージャーを育てるという印象が強いです。
ディスカッションなどいわゆるMBA/ビジネススクールのような講義が多く展開されていることや、
企業経営課題に真正面からチームでアプローチしていく、プロジェクト方式などが代表的です。
働きながら修了することを目標としていることから、そもそも社会人のみを採用していること、講義は土曜日だけの開催といった点も特色がある課程と言えます。
ただ、基礎科目、プロジェクトのワーク、修士論文とかなりのボリュームが1.5年のカリキュラムに盛り込まれているので、てんこ盛りになることは理解しておいた方がよいでしょう。
まとめ
今日は疲れたのでいったんここまでにしたいと思います。読んでいただいた方、ありがとうございます!
また機会があれば、これ以外の国立大学の私立大学のMBAの特色についてまとめたいと思います。
関連記事
出願時に求められる研究計画書の書き方については別記事でまとめておりますのでそちらも参考にしてください。
サイトで配信している学びに関する情報の全体像は以下の記事でまとめています。
参考文献
東京大学大学院マネジメント専攻 経営学コース
https://www.e.u-tokyo.ac.jp/fservice/program/course05.html
http://www.student.e.u-tokyo.ac.jp/grad/nyushi-m.html
http://www.student.e.u-tokyo.ac.jp/grad/mas-answer.html
https://www.e.u-tokyo.ac.jp/kenkyuka/gaiyou/2022.pdf
http://www.student.e.u-tokyo.ac.jp/grad/2023M_youkou.pdf
京都大学経営管理大学院
https://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/
https://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/gsmkyoto_pamf_ja_2022.pdf
https://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2023年度経営管理教育部(一般選抜)募集要項.pdf
https://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2023年度経営管理教育部(特別選抜・観光経営科学コース特別選抜%E3%80%80募集要項.pdf
神戸大学MBA
https://mba.kobe-u.ac.jp/
https://mba.kobe-u.ac.jp/kobemba_wp/wp-content/uploads/2022/06/R5MBA_application_procedure.pdf
https://mba.kobe-u.ac.jp/kobemba_wp/wp-content/uploads/2021/07/MBA_pamphlet.pdf
一橋ビジネススクール
https://www.hub.hit-u.ac.jp/
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