【解答例】競合が値引き競争を仕掛けてきた場合への対処 ーゼミナール マーケティング入門 第2章 演習問題⑤

MBAのマーケティングの授業でよく参考書として取り上げられている『ゼミナール マーケティング入門 第2版』の演習問題を考えてみたいと思います。

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今回は、第2章 演習問題⑤を取り上げています。

第2章 価値形成のマネジメント 演習問題⑤

競合企業が値引き競争を仕掛けてきた場合、マーケティングの担当者はどのように対処すべきか、について検討しなさい。

出所:『ゼミナール マーケティング入門 第2版』

解答例

競合が値引き競争を仕掛けてきた場合に取るべき戦略は、自社の市場におけるポジショニングにより異なると考えられる。

まず、業界でのポジションを投入資金力、生産能力、営業人数等からなる量的経営資源と、ブランド力、マーケティング力、技術水準、リーダーの能力等からなる質的経営資源に基づいて、リーダー、チャレンジャー、ニッチャー、フォロワーと分類すると、それぞれの保有するケイパビリティなどを踏まえて、市場での目標と基本戦略が規定される。

例えば、リーダーであれば、市場目標を、市場シェア獲得、利益の追求、評判の向上とし、取るべき戦略は、資金力や技術力、顧客基盤等の保有するケイパビリティが最も優れていることから、全方位的な戦略を選択することが合理的である。

上記を踏まえると、値引きを仕掛けるプレイヤーは大きく2つの可能性が存在する。ひとつは、リーダー企業が、もう一つは後続企業(チャレンジャーやニッチャー、フォロワー)のうち、特にチャレンジャー企業が行うケースである。質的経営資源で差別化されているニッチャーや、市場での重要性が相対的に低いフォロワーが値引き競争を仕掛けることは合理的ではないと考えるため。

 

リーダー企業が値引き競争を仕掛けてきた場合(自社は後続企業)
このケースでは、リーダー企業が競合企業からシェアを奪い、自社のシェアを拡大するために行うことが想定される。一般的にリーダー企業の方が低コストで製造できることが多いため(規模の経済、経験効果、技術力の高さなどがあるため)、値引きをしたとしても利益を確保できる。

自社が後続企業である場合、値引き競争は、経営資源の量や質の観点から持続的な競争が厳しいため、回避をすることが望ましい。具体的な回避手法には、製品・サービスの差別化が考えられるが、リーダー企業が容易に模倣できてしまう程度の差別化である場合には、単に市場性があるかの実験台としてのモルモットとなってしまう可能性があることに留意が必要である。

 

チャレンジャー企業が値引き競争を仕掛けてきた場合(自社はリーダー企業)
このケースでは、チャレンジャー企業がリーダー企業からシェアを奪い、リーダーポジション獲得に挑戦する際に行うことが想定される。

自社がリーダー企業の場合、前述のとおり、価格競争では有利に立つ可能性が高いことから、値引きに応じて一時的な利益率を下げたとしても、長期的なシェアの拡大につながるため、値引き競争に応じる可能性があると考える。

 

なお、値引きにより期待される効果は、新規顧客の獲得、シェアの拡大、在庫の削減などがある一方で、利益率の低下やブランド価値の低下(定価購入されない)などが考えられるため、値引きは慎重に検討をする必要がある。

思考の軌跡

SCPモデルの考えに基づき、市場ポジションにより取るべき戦略が規定されることから、業界の競争環境(ポジション)を把握したうえで、市場ポジションに応じた市場目標や戦略を整理している。

価格競争に対応する戦略としては、差別化戦略や集中戦略、新しい競争ルールの形成が考えられるが、今回の検討では、差別化戦略を記載している。なお、チャレンジャー企業が、リーダーとの差別化の際に、攻めるべき領域の考え方では、背面攻撃と後方攻撃がある。背面攻撃は、リーダー企業が強化していない領域での展開を目指すこと、後方攻撃は、リーダー企業のシェアではなく、自社よりもシェアの小さな企業のシェアを奪うことである。これらの説明は、グロービスMBAマーケティングに記載があるので、そちらも参考にしていただきたい。

 

他の問題は以下からご覧ください。

【まとめ】ゼミナールマーケティング入門 演習問題の解答例
MBAのマーケティングの授業でよく参考書として取り上げられている『ゼミナール マーケティング入門 第2版』の演習問題を考えています。まとめページになります。

 

今回は、ここまで~。最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。

参考文献

ゼミナールマーケティング入門

グロービスMBAマーケティング

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