【解答例】分業のメリットとデメリット・自動車産業の例ーゼミナール マーケティング入門 第4章 演習問題①

ゼミナールマーケティング入門

MBAのマーケティングの授業でよく参考書として取り上げられている『ゼミナールマーケティング入門 第2版』の演習問題を考えてみたいと思います。

今回は、第4章 演習問題①を取り上げています。

第3章 マーケティング組織のデザイン 演習問題①

身のまわりで行われている分業を取り上げ、その分業のメリットを具体的に挙げなさい。また、分業に伴いどのような調整が行われるかについても挙げなさい。

出所:『ゼミナール マーケティング入門 第2版』

解答例

分業のメリットとデメリット

分業のメリット

生産性を向上させるために効率化と無駄の削減という観点で、分業のメリットを以下の通りまとめた。業務を細分化(単純化)することで、

【効率化】
・業務への理解が速くなる
・業務の熟練度が深くなる(経験効果)

【無駄の削減】
・段取り変えのコストを削減する

分業のデメリット

分業のデメリットは以下のとおりまとめた。分業することで、

・機能間での調整コストが発生する
・機能間での対立が生じる可能性がある
・専門化された業務が、ブラックボックス化しやすい
・業務の全体像が見えなくなり、従業員のモチベーションが低下する可能性がある

自動車メーカーの分業の例

完成車メーカーのバリューチェーンを考えてみると、市場に製品を提供するまでに、研究・開発→商品企画→調達→製造→物流→営業・マーケティング→アフターサービス…などと機能が分化している。

この時、分業は、社内でバリューチェーンの垂直的な方向での分化と、特定工程で外部サプライヤーとの水平的な方向での分化が考えられる。

自動車産業 分業の例

内部分業

ここでは営業部門を中心に考察をする。

・メリット
業務を分割することで、営業部門は新規顧客の開拓、既存顧客のフォロー、あるいはマーケティングなどの業務に特化することができ、顧客との関係性の構築がしやすいなどのメリットが考えられる。

・必要となる調整
一方で、顧客との商談時には、例えば次期モデルの情報を欲している顧客がいれば、商品企画と情報交換をして最新の情報を取得する、契約時には、顧客への納期の調整を生産部門や物流部門と行うなどが必要になるであろう。

外部分業

ここでは、調達・生産工程を中心に考察をする。

・メリット
各部品の製造に高度に専門的な技術や知識が必要であることから、分業をすることで製品の品質を高めることにつながっている。また、各企業はその製品を専門的に製造するため、一定の数を製造・販売できるため、価格競争力もあることが想定される。

・必要となる調整
一方で、完成車メーカーからサプライヤーに対して生産計画を共有し、遅れなく部品を納品してもらうことが必要になる。ある部品の製造に遅延が生じると全体の遅延につながりかねないため、サプライチェーンの管理では非常に重要となる点である。

思考の軌跡

まず、なぜ分業が必要なのかを把握し、そのメリットとデメリットを整理した。

具体的な事例では、大企業の多くは機能分化型の組織となっているという前提に立ち、特に分業が進んでいる自動車産業について考察をした。自動車産業は、トヨタ系列に代表されるように外部サプライヤーとの分業という視点が大きく、内部の機能分業という視点に加えて整理をした。

内部分業については、各機能で様々な関連があるであろうが、最もイメージのしやすい営業を中心に整理をした。

代表的な機能をバリューチェーンベースで整理をしたが、コーポレート系の機能(人事・総務・経理など)をベースに分業を整理してもおもしろかったかもしれない。

他の問題は以下からご覧ください。

今回は、ここまで~。最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。

参考文献

ゼミナールマーケティング入門

グロービスMBAマーケティング

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