MBAのマーケティングの授業でよく参考書として取り上げられている『ゼミナールマーケティング入門 第2版』の演習問題を考えてみたいと思います。
今回は、第5章 演習問題②と③を取り上げています。
第3章 マーケティング資源の配分 演習問題②と③
演習問題②
製品ポートフォリオ管理が普及したきっかけはPIMSプロジェクトだった。PIMSプロジェクトは、製品ポートフォリオ管理にどのような影響与えたかを検討しなさい。
出所:『ゼミナール マーケティング入門 第2版』
演習問題③
「経験効果」は製品ポートフォリオの前提となる重要な概念である。それはなぜか説明しなさい。
出所:『ゼミナール マーケティング入門 第2版』
以下ではプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント、製品ポートフォリオ管理をPPMと表記する
解答例
PIMSプロジェクトからの示唆
同プロジェクトは「相対市場シェアが高くなると、投資収益率とキャッシュフローが増加する」ということが、産業や市場の違いを超えて成立することを明らかにした。
その要因は、「規模の経済性」と「経験効果」によるものと考えられている。

規模の経済性とは?
大規模に製造することで、製品1単位あたりの生産コストが低下することである。
市場シェアが高ければ、競合よりも生産量が多くなるため、規模の経済性が働きやすい。
規模の経済性を生み出す主要な要因は以下の通りである。
【効率化】
・大規模設備による効率化
【コスト削減】
・調達コストの低下
・製品1単位あたりの固定費や間接費の軽減
経験効果とは?
経験を積むことにより、より効率的に業務を遂行できるようになり、製品1単位あたりのコストを引き下げることができる。
市場シェアが高ければ、競合よりも経験効果を享受できる。
経験効果を生み出す主要な要因は以下の通りである。
・習熟を通じた能率の向上
・生産工程や生産設備の改善
・投入要素の変更
・製品設計の変更
思考の軌跡
PIMSプロジェクトからの示唆とそれを支える要因である、規模の経済と経験効果について整理をした。
演習問題③で経験効果のみ切り出されていたが、規模の経済性と比べて重要度合いが異なるのだろうか?
「相対市場シェアが高くなると、投資収益率とキャッシュフローが増加する」ことの要因として、規模の経済性と経験効果の2つが並列的にあると思うので、ここでまとめて説明した方がおさまりがいいと感じたため、まとめて整理した。
他の問題は以下からご覧ください。
今回は、ここまで~。最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。
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