【解答例】規模の経済性と経験効果がマーケティング・マネジメントに与える影響ーゼミナール マーケティング入門 第5章 演習問題④

ゼミナールマーケティング入門

MBAのマーケティングの授業でよく参考書として取り上げられている『ゼミナールマーケティング入門 第2版』の演習問題を考えてみたいと思います。

今回は、第5章 演習問題④を取り上げています。

第3章 マーケティング資源の配分 演習問題④

「規模の経済性」と「経験効果」の概念は、マーケティング・マネジメントにどのような指針を与えるかを検討しなさい。

出所:『ゼミナール マーケティング入門 第2版』

以下ではプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント、製品ポートフォリオ管理をPPMと表記する

解答例

マーケティング・マネジメントへの指針として以下に2つを挙げる。

マーケティング目標設定の観点

至上命題=市場シェアの拡大

規模の経済性や経験効果が働く限りは、市場シェアの拡大を至上命題となる。

これまで議論してきた「問題児」や「スター」については、積極的な投資を行い市場シェアを獲得することが重要になる。

至上命題=利益

一方で、市場シェア(累積生産量)拡大によるコスト削減効果が逓減し始めた場合、あるいは競合に対して十分にシェアが獲得できた場合などは、マーケティング目標を、利益の追求とすることが望ましい。

「金のなる木」は投資を抑えつつ、利益を最大化していくフェーズとなる。

至上命題=革新的な製品・製法の導入

以下の各ステージの事業については、再成長やシェア拡大、収益化のためにイノベーションが必要となる。

・新たに「問題児」となった事業(後発の低シェアなため、高シェア企業に対抗するため)
・「金のなる木」の事業の成長が鈍化してきた場合
・「負け犬」で再成長を目指す場合

組織デザイン

経験を蓄積させる組織

経験効果を享受するために、特定の作業を反復して実施できるように作業工程をデザインする必要がある。

全社戦略に連動した各事業の評価指標を設定する

各指標をばらばらに策定するのではなく、中長期の経営目標をブレイクダウンし、連動する形で各事業の成果指標を設定し、経営が状況をモニタリングできる体制を構築することが重要である。

思考の軌跡

マーケティング・マネジメントの文脈で、各事業の目標設定の観点と、それを実行するための組織デザインの観点から記載をした。

他の問題は以下からご覧ください。

今回は、ここまで~。最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。

参考文献

ゼミナールマーケティング入門

グロービスMBAマーケティング

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