コスト・リーダーシップ戦略の源泉 学習曲線との関係【解答例】ーバーニーの企業戦略論 中 第4章チャレンジ問題4.4

企業戦略論

MBAの授業でよく参考書として取り上げられているジェイ・B・バーニーの『企業戦略論 中 事業戦略編』のチャレンジ問題・演習問題を考えてみたいと思います。

今回は、企業戦略論 中 第4章チャレンジ問題4.4を取り上げています。

第3章 コスト・リーダーシップ チャレンジ問題4.4

学習曲線とコスト・リーダーシップには、どのような関係があるか。両者に正の相関はあるか

出所:ジェイ・B・バーニー企業戦略論 中 事業戦略編

解答例

コスト・リーダシップとは?コスト優位の源泉

コスト・リーダーシップ戦略とは、事業戦略のひとつで、競合を下回るコストの実現に重点を置いて競争優位を目指す戦略です。

ただし、他の事業戦略や全社戦略を放棄するわけではないことには留意が必要です。

コスト・リーダシップとは?
構成要素 コスト優位の源泉 

重要なコスト優位の源泉としては以下があげられています。

  • 規模の差と規模の経済性/規模の不経済性
  • 経験の差と学習曲線による経済性
  • 生産要素への差別的な低コストのアクセス
  • 規模と無関係な技術上の優位
  • 経営政策上の選択

各要素の詳細は以下の記事を参照ください。

学習曲線とは?

コスト優位の源泉のひとつにあげられている要素です。

特定の条件の下では、ある製品・サービスの生産において最も経験を積んだ企業が業界内で最も低いコストを実現し、コスト優位を獲得することができます。

累積生産量とコストの関係は学習曲線により示されており、経験を積むことにより、より効率的に業務を遂行できるようになり、製品1単位あたりのコストを引き下げることができます。

学習曲線の経済性は、ある事業活動を行った回数が増えるにつれ、その事業活動を行うコストが低下する限り成り立つものです。

コスト・リーダーシップと学習曲線の関係とは?

両者には正の相関はあると考えられます。

コスト・リーダシップ戦略を採用するうえで、コスト優位性が重要なポイントとなっており、その中のひとつの要素が学習曲線による経済性です。

学習曲線による経済性はコスト優位性を生み出す源泉になっています。

また、学習曲線は、一定以上を越えると規模の不経済が発生する規模の経済性とは異なり、事業活動を行うコストが低下する限り成り立つ概念です(たとえ、コスト低下の割合が逓減していくとしても成り立つものです)。

思考の軌跡

コスト・リーダーシップ戦略について、コスト優位の源泉となる概念を簡単に整理しました。また、その中の学習曲線を詳細に整理し、最後に両者の関係性を確認しました。

今回は、ここまで~。最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。

参考情報

今回のチャレンジ問題や演習問題、またその内容はこちらの書籍にまとめられております。

本サイトで配信している学びに関する情報の全体像は以下の記事でまとめています。

また、本記事の画像はPowerPointで作成しており、操作の解説記事・講座もありますので、興味のある人はご覧ください。

参考文献

企業戦略論 中 事業戦略編

ゼミナールマーケティング入門 第2版

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