社会人におすすめの経営学の本・テキストー戦略編(全社戦略・事業戦略、新規事業開発、M&A)

実際にMBAで教科書や参考のテキストとして使っていた書籍で、社会人が経営を勉強するのにおすすめなものを紹介します。

今回は、経営の中でも、戦略(全社戦略・事業戦略、新規事業開発、M&A)に関する書籍です。

基本、自分が読んだものベースなので、書籍に偏り等があるかもしれませんが、ご理解ください。

戦略系の分類

戦略の捉える範囲は広いですが、今回は、戦略論の中でもメジャーな以下の3つの観点から紹介をしていきます。

  • 全社戦略・事業戦略
  • 新規事業開発
  • M&A

全社戦略・事業戦略など経営戦略全般

近代の経営学は、ポジショニング派=外部環境が重要で、儲かる市場を選び、儲かるポジションをとることで競争に勝てる、とケイパビリティ派=内部環境が大事であり、自社の強みを活かすことで競争に勝てる、が主要な考えとなっております。

そのため、ポジショニング派とケイパビリティ派の代表的な学者の書籍(ポジショニング派はポーター、ケイパビリティ派はバーニー)が利用されていることが多いようです。

競争の戦略

著者は、マイケル・E・ポーターです。

ファイブフォース分析やバリューチェーン分析など、数多くの競争戦略手法を提唱した世界有数の専門家です。

戦略論の古典とも言われる本書では、業界構造の分析でファイブフォース分析や、競争の基本戦略として、コストリーダーシップ、差別化、集中の3つを言及しています。また、業界の成熟度(先端業界、成熟業界、衰退業界、グローバル業界)に応じた取るべき戦略について詳細に論じています。

産業構造に変化が起きている現代においても通じる業界分析の観点があると思います。

なお、初学者の方は、内容を簡易にまとめているエッセンシャル版といった書籍もありますので、試しに読んでみるのにお勧めします。

企業戦略論

著者は、ジェイ・B・バーニーです。欧米MBAでの人気テキストです。

企業固有の経営資源をどのように活用するかというリソース・ベースド・ビューの視点で研究を行い、VRIOフレームワークなどを提唱しています。

アメリカ企業の事例が豊富に掲載されており、学習する上でイメージがしやすいと思います。

なお、本サイトでは本書の各章末にある演習問題の考察をしています。

>>>企業戦略論の演習問題への考察はこちら

競争優位の終焉

著者は、リタ マグレイスです。

ポーターは、企業は競争に勝つために優位性を構築することを唱えましたが、本書では、変化の激しい経営環境においては、持続的な競争優位の構築は通用しないことを説いています。

一時的な優位性を続けていくことの重要性に始まり、そのための4つのシナリオを説明しています。

グロービスMBA経営戦略

著者は、グロービス経営大学院です。

グロービスのMBA書籍シリーズの特徴は、ケースが多いことがあげられるでしょう。

各章の冒頭にCASE(事例)が紹介されており、またその事例も日本になじみのある企業の紹介であることが多いので、イメージがしやすいでしょう。

自分はポーターやバーニーなどの理解を深めるために参照していました。

この1冊ですべてわかる 経営戦略の基本

著者は、日本総合研究所の経営戦略研究会です。

「この1冊ですべてわかる」シリーズは、マーケティングや会計など幅広い領域で出版されていて、特に初学者には全体感を把握する上で読みやすい書籍と思います。

経営分析の際に用いられているフレームワークは、代表的なものが紹介されております。

戦略「脳」を鍛える―BCG流 戦略発想の技術

著者は、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の日本代表も務めた御立尚資です。

コンサルタントらしく要素を分解して明快に整理しており、わかりやすいです。

特に、ユニークな視点をもらたらす三種類のレンズについては、物事を分析したり、新しいことを考えるうえで役立つものと思います。

新規事業創出・イノベーション

イノベーションのジレンマ

著者は、クレイトン・クリステンセンです。

企業のイノベーション研究における第一人者であり、本書では破壊的イノベーションについてまとめています。

優良企業が失敗する原因をハードディスク企業を通じて分析しており、イノベーションの方向性はその企業が属しているバリューネットワーク(共通するニーズを持つ顧客層と、そのニーズに合わせて価値を提供する企業群によって構成される集合体)によって決定づけられ、優良企業ほどバリューネットワーク内の顧客の意向を反映した技術向上(地蔵的イノベーション)を行うため、破壊的なイノベーションを起こすことが難しいとしています。

また、イノベーションを実現するための組織プロセスや価値基準についても、身に着けるべき能力などについても、DEC等の事例を取り上げて説明しています。

企業でイノベーションに関わる仕事をしている人に役立つと思います。

OPEN INNOVATION―ハーバード流イノベーション戦略のすべて

著者は、ヘンリー・チェスブロウです。

イノベーションの研究を行い、オープン・イノベーションの概念を提唱しました。

これまでのクローズド・イノベーションは、技術の創造的な活用、他の技術とのリンク、新しい情報への適合の速さなどから限界を迎えていることをXerox PARCの事例から示し、新たなイノベーションの手法としてオープン・イノベーションを提唱しました。

オープン・イノベーションでは、社内の研究内容と社外のアイディアを結合させるが、システムの中で、自社で開発する領域や外部から取り入れる領域を見極めることが重要になります。そのような要素を示しつつ、Xerox PARCの事例を取り上げています。

昨今、技術の複雑さが増すなどを背景にオープン・イノベーションに取り組んでいる企業は多く、そのためのマネジメント手法など参考になる部分が多いと思います。

民主化するイノベーションの時代

著者は、エリック・フォン・ヒッペルです。

本書では、リード・ユーザー・イノベーションの概念を取り上げています。

市場において大多数のユーザーに先行し、自らのニーズを充足させる解決策から相対的に高い効用を得るリード・ユーザーによるイノベーションが増えていることを、事例を挙げています。

ユーザーによる低コストでニッチなイノベーションは、機能面で新しい特徴を持ち、これは、ニーズ情報と、リューション情報の粘着性が高いことにより生じるとされています。

また、ユーザー主導のイノベーションは無料で公開されることが多く、公開により他者が新たにイノベーションを改善するなどして伝播し、広く分散しています。

リード・ユーザー・イノベーションの重要性や、リード・ユーザーを見つけるための手法(ピラミッディング)など、誰しもがイノベーションを起こせる現代において、役立つ内容と思います。

ワイドレンズ―イノベーションを成功に導くエコシステム戦略

著者は、ロン・アドナーです。

全米のMBAでも利用されている書籍です。

キーストーン戦略  イノベーションを持続させるビジネス・エコシステム 

著者は、マルコ・イアンシティです。

現在では、当たり前のように使用されている「エコシステム」という概念と、それをとりまく戦略を説明しています。

イノベーションの収益化では従来のビジネスモデルではなく、企業が自社内外問わずに結び付いたビジネス生態系としてのエコシステムを構築することが重要になってきています。

エコシステムを構築する中心企業の戦略としてのキーストーン戦略や、周辺企業の戦略としてのニッチ戦略などについても言及しています。

イノベーションにおけるエコシステム、企業間の共生関係を理解するのに役立つと思います。

ザ・ファーストマイル イノベーションの不確実性をコントロールする

著者は、スコット・D・アンソニーです。

イノベーションのファーストマイル、すなわち、アイデアを練り上げて、市場に投入するまでの導入初期に潜む危険性などについて解説をしています。

イノサイト社(クリステンセン教授と共同経営)にて開発したイノベーションを成功させるための評価ツール(アイディア、マネジメント、収益化の観点)について整理されています。

イノベーション・マネジメント入門

筆者は、一橋大学イノベーション研究センターです。

イノベーションに関する基礎的な知識を網羅的・体系的に整理している本です。

初学者のかたが、最初に読む内容として適していると思います。

ビジネスモデル・イノベーション

ビジネスモデル・イノベーション

M&A

M&Aを成功に導くビジネスデューデリジェンスの実務

著者は、PwCアドバイザリーです。

値段も高く、分厚い本ですが、ビジネスデューデリジェンスの各ステップ(DDの計画、対象会社の事業環境把握、価値向上施策)と、バリューストラクチャー(売り手の価値、スタンドアローン価値、シナジーを加味した買い手の価値)の構造など、説明されております。

M&A実務に初めて関わる人にとっても、また、何度かBDDを経験した人でも辞書的に利用することができるなど、非常によくまとまっている一冊です。

新版 M&Aのグローバル実務〈第2版〉

著者は、渡辺 章博です。

M&A実務における問題点・リスク等を詳細にまとめています。

本書の各所でケーススタディがあり、どこが論点となりうるのかをイメージを持ちやすいと思います。

Q&AでわかるM&A実務のすべて

著者は、GCA FASです。

Q&A形式で、M&Aに担当者が直面しうる問題を整理しています。

プロジェクトチームの作り方やスキームの検討などのより実務的な内容が多く、辞書的に利用することもできると思います。

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